MPI Japanチャプターは、7月14日19時から六本木ヒルズ森タワー49階オーディトリアムで、2023年度第1回セミナー「MICE開催地『日本』の魅力と課題とは」~ WEC 参加者が肌で感じた海外動向 ~を開催しました。セミナーは対面式のリアルとオンラインの両方で参加可能なハイブリッド型で開催され、合計で70名が参加しました。
セミナーに先立ち、MPI Japanチャプターと日本学生観光連盟は、サポーター協定の調印セレモニーを行いました。調印セレモニーでは、岡本篤(野村総合研究所)MPI Japanチャプター会長と、日本学生観光連盟第15期代表の田中晴太郎さんが、MPI Japanチャプターの坂本和也(森ビル株式会社)次期会長と、日本学生観光連盟顧問の宍戸学教授(日本大学)の立ち合いの下、共同事業によって、MICE振興に寄与すること、企業見学のサポートをする、末永く連携協定を行うこと等が記載されている協定書に調印しました。
セミナー冒頭では、岡村篤会長が挨拶を行い、What's Upとしてメンバーシップ委員から報告された、MPIグローバルからの特典として、今期入会する方に先着5名で入会金から100ドルが割り引かれる特典、元MPI会員で再入会する方への入会金50ドル割引のキャンペーンについて紹介しました。また、MPI Japanチャプター名誉顧問のデイビッド・クライマン氏が、ポール・フラケットIMEX アカデミーアワードを受賞したことを報告しました。
セミナー講演1では、MPI Japan Club (Chapterの前身)の設立当初から永年に渡り会の発展に貢献された新井立夫氏(元会員)から、日本人として初めての「IMEX Academy Award」の受賞報告と、「A Little History of IMEX」と題する講演が行われました。新井氏は、IMEXの歴史について、1988年にレイ・ブルーム氏とポール・フラケット氏によりEIBTM(現IBTM)が創業され、10年後にEIBTMをリードトラベルエキシビションに売却、2003年にブルーム氏とフラケット氏によりフランクフルトでIMEXがスタートした経緯、EIBTMとIMEXの関係についてその歴史を説明しました。そして、フラケット氏の没後、フラケット氏を偲んで2018年ポール・フラケットアカデミーアワードが設立され、2022年にはIMEXが創立20周年を迎えた経緯について説明しました。MPI Japanチャプターは、今回の日本人として初のポール・フラケットIMEX アカデミーアワード受賞の功績に対して、新井氏に記念品を贈呈しました。
セミナー講演2では、MPI Japanチャプター名誉会長の山本牧子氏から、「WEC参加レポート」が行われました。6月12日~15日にメキシコのカンクンにおいて開催されたWEC(世界教育会議)にコロナ明けとしてはMPI Japanチャプターから初めての参加者として、WECの様子を報告しました。
今回のWECは、米国以外で初めての開催となり、参加者数は約1500名でした。WECは、ミーティング、イベント業界のプロフェッショナルに向けて、教育とネットワーキングの機会を提供するMPIの象徴的イベントとして年1回開催されており、今回のテーマは「Refresh Your World(あなたの世界を新たにする)」で、会期中は多数のセミナー、イベント等のプログラムが行われました。
基調講演におけるトレンドは「多様性」で、登壇者にはヒスパニック系女性、白人系女性、アジア系女性、中東系男性と、多様性を象徴するコンテンツでした。講演では、マインドセット、逆境からの前進について、マイノリティの自分がアイデンティティを確立し、価値観の多様化について固定観念を打ち破り、自分が本当に何をしたいのか見つめなおすために、「あなたが先駆者となれ」というメッセージが発信されました。
分科会では、ミーティングビジネスの業界動向、施設としてのミーティングスペース、サステナビリティ、ダイバーシティ、F&B、SNS等のトレンドテーマについてセッションが行われました。
ウェルカムレセプションは、ほぼ屋外で開催され、メキシコやマヤ文明をテーマに、「その地域でしかできない体験」が盛り込まれていました。
プレジデントディナーのテーマは「レインフォレスト(熱帯雨林)」で、屋内での開催でしたが、装飾がテーマに沿って上手く表現されているのが印象的でした。
クロージングレセプションでは、テーマはメキシコで、国内各地の地元料理や飲み物が振舞われ、フェイスペイント、高脚の人形、AIやドローンを使った演出、最後は大ダンス大会等、オーセンティックと最新の融合を感じることができるプログラムでした。
山本名誉会長の講演の後、MPIグローバルの教育の責任者、MPIアカデミーのバイスプレジデント、Ms. Jessie StatesからMPI Japanチャプターの会員に向けたビデオメッセージが放映されました。メッセージでは、MPIグローバルが独自に行ったミーティングビジネス業界のトレンドの調査について報告され、最新のトレンド、ビジネス環境の改善、就労状況の改善等について報告されました。
その後、今回のセミナーの最後のプログラムとして、WECに参加した山本名誉会長と、同じく今回のWECに参加したMPI Japanチャプター会員の平間令子氏(株式会社JTBコミュニケーションデザイン)による対談が行われました。
山本名誉会長と平間氏は、今回のセミナーのテーマである「日本の魅力と課題」に沿って、WECでの体験を基に日本の「魅力」と「課題」についてコメントをしました。例えば、日本の食の魅力については、外国人に対する和食の価値は大きいとしながらも、WECでの食事体験について触れて、食材の地産地消や小規模農家からの購入、マイノリティーオーナーの支援、新しい食べ物として「成長が早い農作物」の概念を紹介して、小さな農家を応援する経済的なサイクルに利点があると説明しました。
今回のWECでは、料飲に関するセッションも多く、その一つでは、スイーツはすべてヴィーガン対応で、グルテンフリー、乳製品フリーもあったそうです。コーヒーブレイクは健康志向。ドリンクはモクテルではなくて、ノンアルコールのジン、ノンアルコールのビール、代替ではない本物のノンアルコールドリンクを提供することが求められる状況を紹介しました。
「課題」については、フレキシビリティとおもてなしの両立、ローテーション人事で専門家の不足、メキシコにおける誘致活動に関するROIの考え方の事例、ナイトタイムエコノミーの日本の現状、WECの参加者登録の性別の選択肢の多様性、国際会議で使用されるテクノロジーツールの紹介、サステナビリティでは如何に地域社会やパートナーとイベントに取り組むか、サステナビリティは取組みについて数値化して公にする流れが米国ではセットになっている等々、お互いのWECでの体験を基に対談しました。
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