今回で第10回目を迎えるIDOBATA KAIGI。たくさんの方のご参加をいただき、活発な議論が行われました。今回のテーマは「観光需要の回復から読み解くMICE業界の課題と未来」。テレビでも観光に関する様々なニュースが伝えられています。現場での現状も踏まえながら、これからMICE業界に必要なアイデアを話し合いました。
第1セッションでは、B&M Internationalの田中正之氏より、「インバウンド復活、人手不足が顕在化。MICEにもその波が!」と題して、インバウンド業界で起きている人手不足の現状をお話しいただきました。
現在、訪日外客で溢れかえっている日本。しかしながら、コロナでカットした人材が戻らず、働き方改革以前の状態に逆戻りしており、現場のモチベーション維持が課題となっていることが伝えられました。
人手不足は日本だけの課題ではないことや、ホスピタリティビジネス関連の企業を廃業に追い込んだパンデミックの影響から、今後数年、継続的に会議やインセンティブ旅行に影響を与え続ける未来があるとの予測も。ホテルも目の前の競争に対して、グループ料金の交渉に積極的になっている一方で、サービスの低下がうかがえる現状に危機感を感じるお話でした。
ホスピタリティ業界の人手不足を理由に、「日本のファンづくり」という貴重な機会を失わないために、新たなMICE時代創生のため、皆で立ち上がる時であり、若者に魅力が伝わる業界にしていきたいとのお話がありました。
その後、「新たなMICE創生の足音」をテーマに、グループ討論が行われ、各グループより現状共有や様々な課題があげられました。
●インセンティブの戻り、インバウンドの勢いを感じているが、働き方改革の逆戻りもある。
●MICEそのものは変わらない。日本人が考えるサービスの考え方の転換(働く人々への貢献、インセンティブも考えていくべき時代になった。
●民泊など生活に根付いた観光の開発や通信技術の進化によってオンラインを使った同期性の向上の活用が必要ではないか。また、MICE業界の認知不足も解消したい。
●グループ会議の問い合わせが増えている。ほぼ対面の問い合わせ、施設利用ニーズが高まっている、展示会は海外からの来場・出展が増えている。
お二人目は、株式会社iコミュニケートの岩下智之氏。
地方における取り組み事例の紹介をいただきました。
岩下氏は、岐阜県養老町で現地関係者と連携し、DMCビジネス推進事業や宿泊施設事業などを令和4年度に実施されています。一番の課題は、経験値が豊富な人材が少ないこと。実働は地元人材であり、外部人材とプロジェクトチームを編成し、事業を推進していくことで、テレワーク環境を生かした地方の交流人口拡大を推進している様子を紹介。
ふるさとワーキングホリデーなど、コロナ前からのサービスがコロナ禍によって加速し、人材交流も活性化していることもご紹介いただきました。
これを踏まえて、「多様な人材をMICE新時代に生かすアイデア」をテーマに、グループ討論によるアイデア出しが行われました。
●学生ボランティアの巻き込み、映像系事業のいては横のネットワークが強く人材不足はない。MICE全体でも横連携をしていく必要がるのではないか。
●ワーケーションやデジタルの窓の課題。訪れる人へのメリットをもっと強くしていく必要があるのではないか。また、MICEに参加する団体がそのままワーケーションできる施設を紹介するなどもいいのではないか。
●クローズドなMICE参加者と地元住人との交わりを増やしていく取り組みやベネフィットを感じてもらえるアイデアを出していくなど工夫が必要ではないか。
●過去の成功体験は捨てて向き合う。1社で抱えるのではなく、地域の若者も含めて巻き込んでいく必要があるのではないか。
関係者が様々な立場のMICE関係者が、業界の課題感を共有し、業界での取り組みに向けて、より結束を強めていく重要性を感じた時間でした。
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